前回の成体編は、うちの飼育環境と銘打っていながら、飼育指南みたいになってしまい、そのせいで長くなってしまいました。反省しております。
最近はイモリウム人気で色々な方がYou TubeやSNS等で飼育指南を発信していらっしゃいます。
なので今回は純粋にうちの飼い方だけを書いていこうと思います。
● 卵の管理
卵は発見次第すぐに取り出して親イモリとは別で管理します。後で取ろうと思っていると食べられてしまいます。
うちではプリンカップなどの小さい容器に3cmくらい水を張り、常温で管理しています。
プリンカップは百均でも売っていますが、数が少なければ、スイーツなどが入っていた硬めの容器も使えます。
毎日半分から3分の2位の水を交換します。水は汲み置きのものを使っています。
この時にスポイトがあると便利です。幼生の世話でも使うので1〜2個あると便利です。
うちで使っているスポイト。右から汚水用、きれいな水用、ブラインシュリンプ取り出し用、ブラインシュリンプ与える用です。
● 幼生の管理
孵化した幼生は、また別の容器に移します。この時もスポイトを使い、頭の方からスッと吸い取り捕獲します。
孵化した幼生は、しばらくお腹の袋の栄養で育ち、この間は餌を食べません。孵化の状態や環境により餌を食べない期間は違いますが、私は孵化後一週間経過した時点で徐々に給餌を開始します。
・餌
餌はブラインシュリンプです。ミジンコが入手出来ればミジンコの方が良いです。
幼生は、食べる量が少ないのでほぼ毎日給餌を行います。
⬆️以前のブラインシュリンプの給餌方法の記事です。
今は最後にひと工程多くなっています。以前は真水で洗浄したものを手ぬぐいごと幼生の入っているカップに浸けて給餌していましたが、現在は一度スイーツのカップに水をはったものに取り、そこからスポイトで給餌しています。
イモリ幼生は成長するとイトメやアカムシも食べられるようになります。イトメはそのまま給餌、アカムシは1〜2匹ピンセットでつまみ、顔の前で揺らして給餌します。餌だと認識するようになれば、そのまま入れておいても食べるようになります。配合飼料を与えている方もいるようです。
・ 水換え
水換えも毎日行います。汲み置きの水を使いほぼ全量取り替えます。やり方は、スポイトで少しずつ水を足し、スポイトで同じ量の水を抜く。pHショックを起こさないようにゆっくりと行います。特に注水時は注意します。これをフンや食べ残しが無くなるまで行います。ブラインシュリンプは淡水では生きていけません。食べ残しがあると水を汚す原因になります。アカムシも同様です。
ミジンコやイトメなどは食べ残されても生きているので、そんなに水は汚れないのではないでしょうか。それでも、毎日水換えはしたほうが良いでしょう。
・ 幼生の飼育環境
小さいうちは同じ容器に複数匹入れていますが、足が生え揃うくらいに成長すると、他の個体に足などを食べられる個体が出てきます。酷い時は尾を半分くらいまで食べられてしまいます。その前に単独飼育にします。はじめは大き目のタッパーに水草を入れて複数飼育していたのですが、それでもかじられる個体が出るので、今年は早めに単独飼育にしました。
今年はこんな感じです。
百均(ダイソー)のプリンカップと百均(ダイソー)の積み重ね整理棚と鉢底ネットを組み合わせて積み重ねています。鉢底ネットは結束バンドで止めてあります。鉢底ネットのおかげで上陸しても脱走する事はありません。これで上陸するまで管理します。
エラが小さくなってくると、上陸が近いので水草を増やします。
上陸すると肺呼吸になり溺れるので、こまめに観察します。
● 幼体の管理
・ 飼育環境
上陸したての幼体は2〜3日、ウィローモスを敷き詰めて水をひたひたに入れたプラケで管理します。
分かりにくいと思いますが、瓦の欠片が入っていて、右側が水場になっています。
個体によるのですが、上陸してもエラが残っていて水に戻ってしまう個体がいるからです。
そういう子も1〜2日経つと完全にエラも無くなり、上陸が完了します。
そうしたら、湿らせたキッチンペーパーを敷いたタッパーに移します。ここで給餌開始です。
・ 餌
はじめからアカムシを食べる子もいますが、ほとんどの子は、なかなか食べません。
アカムシを食べない子は、まず生き餌に餌付けます。うちで与えている生き餌はイトメ、ワラジムシ、アブラムシです。
ワラジムシは、以前は吸虫器を使い、小さいものを捕獲していましたが、やはり他人に見られると恥ずかしいので、親ワラジムシを捕まえて繁殖し始めましたが、中々コンスタントに繁殖してくれません。
しかしこの間、良い場所を発見しました。公園の一角に丸太置き場があるのですが、その切り口にいっぱいくっついているのを発見しました。これを百均などで売っている小さいホウキとチリトリでサッと捕り、蓋付きの入れ物に入れると短時間で多くのワラジムシを捕る事が出来ました。これなら他人に見られても怪しまれないかな?
アブラムシは、ホルスちゃんの餌として採っているヤブガラシの葉の裏などにたまに付いていて、それを蓋付きの入れ物に入れて、別にして持って帰ります。
与える時は、葉っぱごとケースに入れます。
イトメはショップで購入しています。
餌を食べるようになると食欲が出るのか、はじめは見向きもしなかったアカムシも、ピンセットで2〜3匹つまみ、顔の前で小刻みに振ると食べるようになります。
その時に、イモリが顔をそむけたり、目を閉じてジッとしていたら嫌がっているので、すぐにやめます。
これを繰り返す事でピンセットと人に慣らしていきます。
良く慣れると、ケージを覗いただけでもイモリが寄ってくるようになり、可愛さ倍増です。
ピンセットに慣れてくれれば、配合飼料にも食い付いてくれるようになります。はじめはくわえても吐き出してしまう子もいますが、何回か与えているうちに食べるようになります。また、配合飼料を水でもどす時に、アカムシの解凍水でもどすと食い付きが違う様な気がします。
餌は基本的にアカムシと配合飼料ですが、幼体が飽きないように、生き餌も交えてローテーションしています。
● 幼体の成長と環境の変化
幼体は2〜3年位陸飼いにするのがセオリーらしいのですが、うちでは早いうちに水に慣らしていきます。
いきなり水に入れるのではなく、段階的に水位を上げていきます。
最初は足が浸かるくらい水を張ります。
この時には必ず、水から上がれるように薄い石や、タイルなどを入れておきます。ほとんどの子が石の上にあがっています。
しかし、徐々に水に入るようになります。水に慣れて来たところで次の段階。
今度は、水位を体の半分くらいまでにし、水草を追加します。
これでまた慣れるまで水上にあがりがちになりますが、慣れるとまた水に入るようになります。
次は、体高ギリギリの水位にします。
顔をあげれば呼吸が出来るくらいです。これくらいになると、自分で水中に潜ったり、泳いだりするようになります。
ここまで来れば、後は少しずつ様子を見ながら水深を深くしていきます。この時に大事なのが必ず陸場を設置し、足場になる水草などを多めに配置する事です。
個体によりずっと陸場にいる子もいます。シリケンイモリのこういう子は苔リウムなどでの飼育に向いているかもしれませんね。アカハライモリにも陸場が好きな子はいますが、体型的に陸場を設けた水飼いが向いていると思います。
どちらの種類にしても、陸飼い(イモリウム)にするならピンセットから餌を食べることが最低条件でしょうね。
清潔を保つには水飼いの方が個人的には楽だと思います。
⬇️生後1年の子供達です。最終的にはこういったケースで飼育しています。
しかし、植物の緑のなかにいるイモリも良いですよね。うちの下手なイモリウムでも映えます。
You TubeやSNSなどで目にするきれいなイモリウムは、見ていて本当に惚れ惚れしますね。私もいつか本格的なイモリウムを作ってみたいと思っています。
しかし、忘れてはいけないのが、あの綺麗で素晴らしいイモリウムが飼育者の日々のきめ細やかな管理、豊富な知識、たゆまぬ努力の上に成り立っていると言う事です。
今回作ったイモリウムも手直ししようと思っています。不具合ではありませんが、イモリの快適さを求めた改装です。
その模様はまた記事にしたいと思います。
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